2011年12月24日

放射能検査機立ち上げ記録Q



  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  先日冬至を迎えましたが、これからが冬本番といったところでしょうか。

  成田センターの倉庫内もこの頃の冷え込みで、朝方は氷点下になっています。

  例年、消費者の方にお届けできないサツマイモをストーブで焼き芋にすることが
  
  冬の風物詩となっています。

  倉庫内に焼き芋の香ばしい匂いが充満し、食欲をそそられます。
 
  パートのある方が私に言っていました。

  「ここで働くようになってから冬太るようになった。もう、あんたのせいよ。」

  と。。。

  可笑しな言いがかりですが、生産者から届くサツマイモはどれも美味しいので、

  ついつい手が伸びて食べ過ぎてしまう、仕方ないことですね。

  それでは本日も始めさせて頂きます。



  放射能検査機立ち上げ記録Q
  〜社内向け放射能測定説明会〜

  「さあ、ベルちゃん。いつもよりきれいにしてあげるからね〜。」

  「もう!そこはダメ〜、くすぐったい〜。」

  「いつもやってることじゃないか〜。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに〜。

  よし、次はニイちゃんの番だよ。」

  「俺はええよ。別に汚れてへんし。めんどくさい。」

  「まあまあ、そう言わずに。みんなに見られるんだから小奇麗にしておかないと。」
  

  毎日、ベルちゃんとニイちゃんを綺麗にふきふきしてあげている。
  測定サンプルがこぼれないよう注意しているが、
  チャンバー内は、放射能汚染が残らないよう、
  特に念入りに掃除している。
  日々の入念な清掃が、こういった機器の性能維持には欠かせないのである。
  ピカピカなベルちゃんとニイちゃん、そして自分の家、
  比較するたび自分自身を叱咤したくなる、が。

  本日は特に外観も綺麗にし、周囲の備品類もいつにも増して整理整頓を心掛ける。
  というのも、この2日間、社内向けの放射能測定説明会が開催されるからである。
  実際に測定しているところをデモンストレーションし、
  放射能の基礎や測定原理、検出限界等をプレゼンしなくてはならない。
  
  説明会を開いて、スタッフに理解して貰うことはとても大切なことだし、
  そもそも自分から提案したことなのだが、
  いざ準備を始めてみると、これがものずご〜く大変な作業なのである。
  

どう説明すればみんな理解し易いのか、そもそも放射能のことをどれくらい知っているのか、聞いてくれるスタッフに合わせて臨機応変に自分は説明出来るのか、説明内容はどの項目にしようか、消費者や生産者からどのような問合せがあるのか、それについて何らかの回答が出来る内容をこの説明会に盛り込めるのか、ベルちゃんとニイちゃんを何て呼んで紹介すればいいのかブログではその呼称で呼んでいるが実際に声を出して「ベルちゃん」「ニイちゃん」なんて呼ぶのは恥ずかしいしそもそも機械に名前付けてるなんて一般的に見たらただのアホみたいだし、説明会資料準備していたら膨大な量になりそうで説明時間だけで2時間ぐらいかかりそうだし、そんなに長いとこの年末の忙しい最中みんな時間が取れるのかわからないからもっとシンプルにした方がいいのか、そもそも放射能の専門家でもない自分が「何を偉そうに」説明会なんか開いてチャンチャラ可笑しいんじゃないのか、「家政婦はミタ」の話題が出た時に市原悦子のことを思い浮かべてしまう自分はもう本当のおじさんになってしまったのか、あげぽよ(書き方合ってるか?)って聞いて揚げた食べ物の名前かと思ったし既に古い言葉らしいし、このブログを書いていて文章力の無さやベルちゃんやニイちゃんのキャラ設定が定まっていなくて物語風に書きたくても展開力が乏しかったり小難しいことを上手い例で表現したいけど発想力が無かったり。。。
 
  ハアハア。




  あれやこれや考えていたら、資料作成が間に合わず、
  結局自分が伝えたいと思っている事の6割くらいしか
  完成できなかったのである。
  あーどうしよう(汗)。

  
  初日は成田センターのスタッフ8名ほどが参加。
  休日返上で聞きに来てくれている方も。
  申し訳ないけど、自分の拙さ承知の上でやるしかないと腹をくくる。
  
  成田センターには会議室が無いため、休憩所にスクリーンを設置し
  PC画面をプロジェクターで映す。
  予断だが、実はこの成田センターでは画期的なことなのです。
  

  今回の説明会で私が伝えたかったことは、

  ・食品の放射能はどうのように計っているのか
  ・微量な放射能測定というのは、もの凄く難しく、
   計測機器が「ピッ」っと数値を表示して終わりという訳ではないこと
  ・検出限界という言葉の意味。
  ・原発事故により放射能というと今は悪い面だけが注目されているが、
   放射線が放出される核分裂という現象を解明することによって、
   原子の構造が分かってきた経緯もあり、
   それは宇宙の成り立ちをも究明することに繋がっていること
  ・今回の原発事故を通して、物事には善と悪、表と裏があることを学べること

  実際には、原子構造については資料が間に合わず詳細は伝えられず。
  これは今後の課題だな。

  二日目は直営店スタッフ4名と成田センタースタッフ3名に説明。
  昨日プレゼンしたので、もっと上手く伝えられると思ったが、
  更に詳しく説明しようとしてしてしまい、逆に小難しくなってしまった感が。

  説明時間は、測定デモンストレーションを入れて2時間程。
  やはり予定した通り。
  参加してくれたスタッフ皆真剣に聞いてくれて、
  また活発な質疑応答が有り、
  「良かった。」「分かり易かった。」等々
  お褒めのお言葉を貰ったが、まだまだ力不足役不足。
  
  面白可笑しい例を交えた真剣で理解し易い説明。
  
  これからもベルちゃんとニイちゃんに向き合いながら研鑽していかねばと実感。
    
  
  しかしプレゼンとは、こうも体力を、いや気力、それとも両方を
  消耗するものなのだろうか。
  この二日間で体中のエネルギーを出し切った感じで、
  全身気怠い症状に襲われたのである。

  ナチュラル・ハーモニーの代表である河名は、
  何年にも亘ってセミナーを数多く開催している。
  やはり凄い方なのだ。
    

  次回に続く


   
      

posted by ナチュラル・ハーモニー at 15:09| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月21日

放射能検査機立ち上げ記録P



  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  いつもは車通勤なのですが、昨日自転車で出社してみました。
 
  冷たい風も気持ちが良くて、
  
  一日中すがすがしい気分でした。

  ですが、帰りが深夜になってしまい、

  猛烈に寒いし、周りは真っ暗で人気もないし、
  
  太平洋一人ぼっちみたいだったので、

  今日は車で来てしまいました。

  また、気持ちがノってきたときにでも自転車で来ようかな。

  それでは本日も始めさせて頂きます。


  
  放射能検査機立ち上げ記録P

  〜どうするんだ検出限界?11.24八街定例会議の行方A〜
  
  「私の考えでは、検査する頻度を上げた方が
  良いのではないかと思います。」
  
  自然界を見渡すと、同じものなんて一つとして無いと思う。
  雲の形、木の葉、人間。
  工業製品だって見た目は同じに見えても、
  それは人が知覚でき得る範囲では、
  ということで、細部を見れば個々に違うもの。
  自然がそう教えてくれている。

  同じ種類の野菜でも傾向はあるにしても
  個体差があるのは当然だと思うし、
  そのばらつきがどの程度あるのか、
  現時点では、はっきりしたことは分からない。
  (私が知らないだけで、どこかで誰かが調べているかもしれないが)
  
  だからといって、畑で隣り合う野菜同士が、
  何百倍も放射能濃度が違うという事も
  あまり考えられないと思うが。

  人間だって一つの会社に長く属していると
  その環境に適応して、それなりに似た集まりになるし、
  転職したら、その会社の文化に慣れるまでに、
  時間がかかるもの。

  野菜に含まれる放射能濃度は、地域、時期、種類、生産者、個体差等で
  差があると考えられる。放射線量が高い地域と低い地域では、
  当然野菜に含まれる放射能濃度の差は大きいと考えられるし、
  原発事故直後と今では、もちろん違う。
  農産物の種類による差もそうだ。
  同じ地域でも検出されるものとされないものがある。
  そう考えると、同じ地域で、同じ時期で、同じ種類で、同じ生産者で、同じ野菜の個体差は
  最も小さな差であろう。
  
  検査する頻度はどのように決めれば良いのか。
  放射能検査は破壊検査となるので、全数検査は出来ない。
  検査数を多くすれば、よりその集団の平均値に近づくが、
  自然栽培農産物を世の中の当たり前にしていきたいのに、
  ほとんど検査で使ってしまっては意味が無い。
  ベルちゃん、ニイちゃんの処理能力にも限界がある。
  
  自然界も絶妙なバランスを保っているように
  測定頻度もまたバランスを取ることが良いんだろうなあ。
  
  ベルちゃんとニイちゃんにも相談し、計測時間を考えると
  一日当たり20検体程度が上限である。
  その処理能力で最もその集団の代表値を
  検出出来るようなサンプリング方法は、
  入荷ロット毎の1検体抜き取りということになるのだろうか。
  
  野菜が入荷する毎に、生産者の各野菜を1つ抜き取って検査する。
  
  本当にこの頻度で測定出来るのか、
  ベルちゃんやニイちゃんと共に試してみる必要がある。
  
  検出限界が1Bq/kgであったが、それがベルちゃんで3.4Bq/kgとなる。
 
  工程内放射能検査を行うことで、
  検出限界はそのように下がってしまうが、
  測定の頻度は増やすことが出来る。
  そのバランスは、ベルちゃんやニイちゃんの
  今後の成長共に変わるだろうし、
  消費者や生産者の意見、他の検査機関の測定データ
  如何でも変わってくる。
  
  会議に参加した全スタッフが、本当にこれで良いのか
  頭を悩ませている。明確な回答が無い問題。
  
  今回決めたことが、もし偏りのある回答なら
  必ずそれを戻そうとする動きがあるはず。
  そのサインを見逃さずに揺り戻す。
  そしてまたその反動が来る。
  そして戻す。
  その時その時に気付き、対応する事。
  その一つ一つを地道に繰り返すことで、
  より良いバランスを見つけていく。
  そして気付いたら幹が太くなっている。
  
  会議が終わっても、外の風はまだ強い。
  木々の枝が千切れんばかりに揺れているが、
  あの大きく立派な幹は微動だにしない。。。
    

  次回に続く
  
  
posted by ナチュラル・ハーモニー at 22:42| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月19日

放射能検査機立ち上げ記録O



  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  先日、髪の毛を切りに行きました。

  長髪がトレードマークであったので、

  短くなった髪の毛を見て、スタッフ皆驚いていました。

  「何か吹っ切りたいことでも有ったの?」

  なんて心配もされましたが、別に深い意味はありません。

  失恋したでも、詫びるような失敗をしたでもなく、

  この世を嘆いた訳でもありません。

  「何となく」なのです。

  何も考えていない、意図が読めない行動は、

  人を困惑させるものなのでしょうか。

  それでは本日も何となく始めさせて頂きます。
  
  
  放射能検査機立ち上げ記録O
  〜どうするんだ検出限界?11.24八街定例会議の行方@〜

  
  「したがってですね〜、3σの検出限界は〜、
  計測時間20分の場合3.4Bq/kgなんですよ。」

  月1回のトラスト定例会議。
  場所は、「風の吹き抜ける街」八街。
  そう言うと聞こえは良いが、
  1年を通して風が強く、毎年春先には、
  叩きつけるような風で畑の土が舞い上がり、
  空はまるで黄砂が飛んで来たように黄ばみ、
  外を歩くことすらままならない。
  遠くから見ると八街だけが黄色いドームに覆われ
  外界と遮断された火星世界を思わせる。
  近隣から「やちぼこり」と恐れられるそんな場所、
  八街のハーモニック・トラスト成田センター内で
  ひっそりと定例会議が始まったのである。

  その議題として
  「放射能検査機の立ち上げ状況について」
  片岡は報告していた。
  今日も風が強い、そんなことを考えながら
  ベルちゃん、ニイちゃんの放射能検査の能力について
  検出限界の算出根拠と結果を示した。
  
  すると様々な意見が吹き出てきた。
  
  「今まで外部検査機関では1Bq/kg以下を不検出と
  言っていたのに、工程内検査が始まったら
  検出限界3.4Bq/kgなので、それ以下を不検出とする、
  それじゃあ説得力無い気がするよ。」

  「トラストの方針は20Bq/kg以上は出荷しないと
  言っているんだから、ニイちゃんの検出限界10Bq/kgでも
  十分だと思う。」

  「いやいや、基準が20Bq/kgと謳っていても
  放射能が1Bq/kg以上検出されたものは、
  実際出荷していないじゃないか。」

  「確かに今は、出荷前サンプル検査で1Bq/kg以下
  不検出のものだけ出荷しているが、個体差までは
  見きれていない可能性もあると思う。」

  「5月以降野菜については、これだけ調べても
  検出されたものは無い訳だし、個体差は
  考えなくても良いのではないか。」

  「検出限界という数字は大切だが、自然栽培という
  農産物を通して、自然とはなんだ?と世の中に
  問いかけていくことが主なんじゃないのか。
  出来得る限りの事をやり切って、後は消費者の方に
  判断して貰うしかないんじゃないか。」

  外は既に冬である。
  生き物は息を潜め、大地の息吹を吸い込み
  春に大きく花咲くためにジッと力をためるとき。
  しかし、ここ、外界と隔離された八街の成田センターは、
  もう春まで待てない、そんなスタッフから湧き出るエネルギーで、
  狂い咲きしそうな場が形成され始めている。
  そう宇宙の創成期の様な。

  消費者と生産者を繋げる流通という立場で我々は何が出来るのか。
  三位一体、補い合う世界、主と従。。。
  自然栽培の原理原則に立ち戻りながら、
  結論を出そうと心に決める。

  「私が考えるに・・・・・」

  未だ外の風は強い。。。。


  次回〜どうするんだ検出限界?11.24八街定例会議の行方A〜に続く  
  
   

  
posted by ナチュラル・ハーモニー at 20:42| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月18日

放射能検査機立ち上げ記録N


  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  先日、結市場で買ったワインを飲みました。

  私は日本酒や焼酎が好きなので、

  普段は余りワインは飲まないのですが、

  馬場店長おすすめを試してみました。

  甘口なのですが、ブドウジュースを飲むような

  スーッと体に入っていくような感じで、

  気付いたら2/3程ボトルを空けていました。

  いやー美味しかったです!



  放射能検査機立ち上げ記録N
  〜測定精度を求めてG〜


  「ベルちゃん、ニイちゃん、長い間お世話になりました。」

  「え!急にあらたまってどうしたの?」
  「なんや?どないしたん?」

  「二人を理解するために、過ごしてきたこの3週間。
   いっぱいデータ取りしてきたよね。」

  「そうや。片岡の無理難題を黙々とやってきたやないか。」
  「いっぱい触られたし。。。」

  「君たちの事は絶対忘れないよ!う〜う〜。」

  「気持ち悪る〜。」
  「もしかしてお別れなの?」
  「え?そうなん?」

  「君たちから学んだこと、これからも大切にしていくよ〜。
   本当にありがとう〜。う〜う〜。」

  「本当にお別れなの?」
  「・・・・・」

  「・・・・ぐすん、ぐすん、データ取りがひと段落したから、何か感極まって。。
  また明日からもよろしくね〜。」

  「なんだよ!もう紛らわしいな。片岡はホントうざい。」
  「もう、びっくりさせないでよ。」
  
  「♪い〜つの〜ことだか〜思い出してご〜らん。あんなこと〜こんなこと〜、あったでしょ〜
  苦しかったこ〜と〜おもしろかったこ〜と〜、い〜つに〜な〜っても〜忘れない〜。う〜う〜。」

  「あいつ卒業でもするのか?」
  「ツッコむ気にもならない。」
  
 

  ということで、検出限界を把握する長い長い戦いが終了したのである。
  詳細はまだ詰めねばならないが、ベルちゃんとニイちゃんの
  3σの検出限界はこのようになった。

  ●ベルちゃん
   ・計測時間20分→3.4Bq/kg
   ・計測時間60分→2.7Bq/kg

  ●ニイちゃん
   ・計測時間30分→30.3Bq/kg
   ・計測時間60分→10Bq/kg

  
  今回の結果は、お米を用いて求めたが、
  放射線計測では、測定するサンプルの中に含まれる
  放射性核種の種類が多かったり、サンプルを入れる容器の
  中に詰め込める重量が少ない場合は(葉物野菜等)、
  検出限界は高まるため、一つの目安として提示していく。

  また、外部検査機関で測定された数値とベルちゃん、ニイちゃんの
  測定した数値は、高い相関関係があることもわかった。
  下記に例を示す。  

  外部検査機関      ベルちゃん
   2.7Bq/kg   →  2.3Bq/kg  
   3.4Bq/kg   →  2.7Bq/kg
   4.7Bq/kg   →  3.5Bq/kg
   7.5Bq/kg   →  7.6Bq/kg
   10Bq/kg    →  8.5Bq/kg
   17Bq/kg    →  12.3Bq/kg
   30.3Bq/kg  →  24.7Bq/kg
   119Bq/kg   →  98Bq/kg
  
   ※数値は放射性セシウム134と137の合計。
    ベルちゃんの数値は15回繰り返し測定の平均値。
    サンプルはお米、えごま、小麦、土である。
    もちろん会員の皆様には出荷しておりません。
  

  これにより、ベルちゃんとニイちゃんの表示する数値について
  信頼性あることが証明されたと考えている。
  
  しかし、今回の結果で終わりではない。むしろ始まり。
  ただ現状のベルちゃんとニイちゃんの実力を把握しただけである。
  もっともっと、二人の力が発揮できるよう
  環境整備や設備のバージョンアップ、
  日々の体調管理や会話を大事にしてこう、
  特にノミニュケーションは大事である。
  「未成年だけど、まあ良いか。」
  と、密かに心に決める片岡でした。


  次回〜どうするんだ検出限界?11.24八街定例会議の行方〜に続く
  
posted by ナチュラル・ハーモニー at 13:17| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月15日

放射能検査機立ち上げ記録M


  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  昨日、ハーモニック・トラストの忘年会が開催されました。

  笑い有り、涙無しの楽しい一時でした。

  今年も残り僅か。

  年末の繁忙期を乗り越える活力が得られました〜。

  それでは本日も早速始めさせて頂きます。



  放射能検査機立ち上げ記録M
  〜測定精度を求めてF〜


  「そろそろわいの出番やろ〜。」
  
  「お、ニイちゃん。やる気出てきたの?」

  「このまんまだと皆に忘れ去られてしまうかもしれへんし。」

  「大丈夫だよ!ニイちゃんが何で大阪弁なのって質問も来ているよ〜。」

  「NHKの番組”カーネーション"のマネやないからな!」

  「誰もそんなことは思わないよ!生まれが大阪だからなんだよね。」


  ということで本日はニイちゃんを中心に据えます。  

  スピルオーバー補正等々、問題を乗り越え
  順調にデータを集めているベルちゃん。

  その裏でニイちゃんもしっかり検出限界を割り出すための
  データを取っていたのである。
  プラプラしていたわけではありません。
  ニイちゃんは、繰り返し測定の回数が設定できないので、
  (ベルちゃんは測定回数の設定が出来るので、その回数が終わると自動で止まる)
  止めなければいつまでも測定を繰り返してしまう。
  実際気付いたら32回も測定していたこともあり、
  とにかく”目の離せない男”なのである。

  更に適当な男で、放射性セシウムが何も入っていないもの
  (バックグラウンドで使用した水)を計っても、
  -10Bq/kgとか4Bq/kgとか表示してしまう。
  
  ※44回測定した結果、放射性セシウムの合計で
   平均-4.5Bq/kg、標準偏差σ4.6であった。
   平均がマイナスであったり、大きなばらつきの主な原因は、
   周囲環境の温度変化と考えているが、
   まだ検証できていないため、確定したらお伝えします。
  
  つまりゼロBq/kgのサンプルを計っても、それだけばらつくという事は
  それ以上には検出限界は下がらないということである。
  標準偏差σ4.6の3倍は13.8なので、9.3Bq/kg(=13.8-4.5)が
  検出限界と考えて良いと思うが、そもそも平均値が-4.5Bq/kgであること
  自体どうなんだろうか。

  バックグラウンドで用いたものを測定した結果がマイナスということは、
  スキー場効果を差っ引いたにも係わらず、
  更に厳しく評価しているということ。スキー場で、
  
  「あの人かわいい(かっこいい)なあ。」
  
  って思っても、ちゃんと巷に帰った時のことを考慮して、
  
  「ちょっとかわいい(かっこいい)くらいのはず。」
  
  と補正して、そして、巷で実際再開したら、
  
  「なんか普通でした。」
  
  みたいな。。。
  

  ニイちゃんは、かなりの面食いなのかもしれない。
  
  でも、まてよ?
  
  ばらつきもかなり大きいので、
  同じ子を見ても
  
  「かわいい」
  
  って言ってみたり
  
  「普通やね」
  
  って言ってみたり。
  基準がまちまちということだ!
  ニイちゃんが「かわいい」と言っても
  鵜呑みには出来んな。。。
  
  
  外部検査で、放射性セシウム合計10Bq/kgが検出された
  サンプルをニイちゃんで15回繰り返し測定してみた。
  
  ●平均値:12.3Bq/kg
  ●標準偏差3σ:12.1

  前述で割り出した検出限界とほぼ同じ数値である。
  ただ、平均値が高めに出ており、水を測定した時は
  平均値がマイナスであったため、整合性が取れない。
  この数値を検出限界と言って良いのか判断が付きかねる為、
  後日詳細な検討を行うこととなった。
  

  ニイちゃんを理解するのは中々に難しい。
  つかみどころのないその性格だからなのか。。。


  次回〜測定精度を求めてG〜に続く
  
  
  
  

  
  
  
  
posted by ナチュラル・ハーモニー at 19:00| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月11日

放射能検査機立ち上げ記録L


  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  昨日の皆既月食は圧巻でしたね。

  大自然の神秘に感動しました。

  では本日も始めさせて頂きます。


  放射能検査機立ち上げ記録L
  〜測定精度を求めてE〜


  「ベルちゃんごめんね〜。」
  
  「・・・・・」

  「私が全て悪い。スピルオーバー補正を使いこなせてなかった。
   何回も確認してすまなかったね。」

  「・・・別に良いよ。そんなに謝んなくても。」

  「もう繰り返さないようにするから。」

  「気にしてないから良いって。」

  「もっとお互い理解し合う必要があると思うんだ。
   だから、これから更にベルちゃんをいじくり回すからね〜。」

  「その変な手つき止めて下さい!」


  今回の一件でベルちゃんとの仲が更に進んだようだ。
  
  間違った計測をしないよう、心に誓った。

  。。。。までは良かったのだが、

  そうなってくると以前の検出限界を
  割り出すためのデータは大丈夫なのか?
  と、ふと疑問が。。。

  あー、何てことだ!

  やり直しとなるとかなりの膨大な量。
  既に6割方データ取得済みなので、
  また1週間程かけて取り直すことになる。
  参りました〜。
  
  早朝に出勤して測定開始し、
  バックグラウンドのために深夜に出向いたあの日。
  測定開始から5時間後に確認に戻ったら
  スタートボタンが押されていなかったあの日。
  必要ない日付補正で測定してしまったあの日。
  既に測定済みのサンプルをまた計ってしまったあの日。
  何気なく免許証を見たら有効期限が8ヶ月も過ぎていたあの日。
  合コンで池袋で飲んでいたはずなのに、
  目が覚めたら一人で新宿の駐車場の縁石を枕に寝ていたあの日。
  走馬灯のようによみがえります。
  
  全ては良い思い出。
  学びです。
  
  と、思う事にしよう。
  
  ベルちゃんにはすまないが、またバンバン
  データを取って貰います。
  頼みましたよ、ベルちゃん。


  次回〜測定精度を求めてF〜
  
  
   

  
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2011年12月10日

放射能検査機立ち上げ記録K


  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  今日の朝は、辺り一面霜で真っ白く、とても綺麗で、
  ピンとした空気も何か大自然の大きさを感じられるような
  一時でした。

  それでは本日も始めさせて頂きます。


  放射能検査機立ち上げ記録K
  ~測定精度を求めてD~


  「すぐ結果出るから知らせるよ。」

  「了解!宜しく頼みます。」

  同僚から受け取った黒大豆と柿のサンプルを
  マリネリ容器に入れる。
 
  お米以外のサンプルを計るのは初めてなので、
  何となく緊張する。
 
  黒大豆は、そのまま砕いたりもせずに容器に入れる。
  問題無し。
  
  次に、柿は潰して細かくしてから容器に入れてみたが、
  水分が多いので、満タンに入れると
  ちょっとしたことで、中身がこぼれてしまう。
  少し調整し、量を減らす。
  些細なことだが、こういった経験が後に活きるはず。
  今度から水分が多いものは、欲張らずに少し
  少な目に入れようと心に誓う。
  そう誓うのです!
  もうこんなベタベタな手と容器は嫌ですから。
  決して私が不器用だからではありませんよ。
  貴重なノウハウなのです。

  容器や手を洗い終え、やっとサンプル準備が終わり、
  ベルちゃんに測定を依頼する。
  
  「頼むぞベルちゃん。初の未知の放射能測定だ。」
  「うん、わかった~、頑張るね~。」

  黒大豆を計る。
  計測時間は20分。
  さあ、測定開始だ。
  でっきるっかな、でっきるっかな、さてさてふむー、さてふむ。
  測定データも溜まってきているし、ノリノリです。

  どんな値が出るのかなあ。楽しみ〜。
  計測開始から5分。
  
  「ん~、何か数値がフラつくな~。こんなものなのかなあ。」
  
  もう少し様子を見る。

  更に5分経過。

  「なんかCs合計が12Bq/kgくらい表示されている。大丈夫かな。。。」


  更に5分経過。  

  「ほんとかなあ。この数値なのかな~。ベルちゃんどうなの?」
  モジモジして答えてくれません。
  確かに今年度産の黒大豆なので、
  Csが検出されてもおかしくはないが、
  他の自治体等の情報を検索しても
  放射能が検出されたという記録は無い。
 
  「ベルちゃーん、頑張ってくれ、本当はどうなの?
   これで良いの?ねえねえ、どうなの?」
  うつむいていて何も話してくれません。

  困惑の測定終了。
  結果は11Bq/kg。
  ん~、表示はそうなんだけど、
  正しく計れているのかなあ。
  頭の中で????なので、もう一回測定してみる。
 
  今度は計測時間を60分にして測定精度を上げる。

  よーし、今度こそ!

  測定開始から20分。
  結果は同じような値を示している。
  ここから数字がどう変化するのか。

  測定開始から30分。
  特に数値は変わらず。

  測定開始から40分。
  「あー、もう!ほんとなんだね。
  この数値ホントなんだね!」
  ベルちゃん、耳が真っ赤なまま引き続き無言。。

  「ピッ」。
  60分経ち測定終了の合図。
  
  結果余り変わらず10Bq/kg。。。
  深まる謎。
  最初のノリノリはどこへやら。

  
  とりあえず気を取り直して、柿を測定してみよう。
  そう、気分転換だ!
  
  「よーし、行くぞベルちゃん!ポチッとな。」

  思考先延ばしにして、
  柿の測定開始。
  もうベタベタではない容器。
  絶妙なサンプル量。
  この手付き。
  完璧。
  計測時間は60分。
  最初から測定精度を重視。

  「行け行けベルちゃん、頑張れ頑張れベ・ル・ちゃん!」

  ・・・・測定開始から5分。
  またも数値がフラッフラッ、フラッフラ。
  
  10分後、6Bq/kg
  20分後、5Bq/kg
  計測終了。
  結果、5.1Bq/kg。。。
 
  「そんなバカな〜、柿までCsが検出されるなんて〜。」
  ヒューッと隙間風を感じます。
  な、何か悪寒が。
  黒大豆に柿までCsが検出されるなんて。。。
  
  この結果は本当に正しいのだろうか。
  疑問が次々と浮かびます。

  バックグラウンドは正しく取ったのか、
  キャリブレーションは?
  サンプルを容器に入れる時に
  何かで汚染してしまったのか、
  私の心の汚れが出ているのか、  
  はたまた政府の陰謀でこのような結果が出るのか、
  ベルちゃんにセクハラし過ぎて仕返しされているのか。

  深く悩み続けて2秒。
  とりあえず、同僚に結果を報告する。
  
  「あのー、Cs検出されているんだけど。。」
  
  「えー!そうなの。」

  「今のところね、もう何回か測定してみるし、
  直ぐに外部検査機関に出して確かめてみるしね。」

  「わかった、農家さんにも速報しておくよ。」

  
  結果を報告してしまったが、疑念がフツフツと湧いてくる。
  私の第9感ぐらいが訴えてくる。
  「違うぞ君!」、と。
  

  とりあえず再測定をしつつ、
  一方でネットで情報を集めてみよう、
  そう思いPCに向かう。
  
  探すこと10分、ピンと私の感性に触れる情報が。
  要約すると、
  「食品には自然放射性元素である放射性カリウムが
   入っていることが多く、その場合、ベルちゃんは放射性セシウムとして
   御認識して表示してしまう可能性がある。」

  らしい。。。
  ぬぉー!そうなのか、そうだったんだな!
  「スピルオーバー補正を行うとその影響を差っ引ける。」
  なんて事も書かれている。
  そんな機能が有るのか〜!
  それでは早速確かめてみよう!

  。。。。で、やり方は?
  ・・・・良くわかりません。
  ベルちゃんの説明書見ても良くわかりません。
  
  手をこまねいていてもしょうがないので、
  もう一度ネットで情報を探す。
  すると東京大学の早野先生という方のツイッターに、
  「やり方わからない方はご連絡を。」
  と書いてあるではないですか。
  なんて親切な方なんでしょう。
  
  だがしかし。。。
  こんな一介の小生が、
  ご連絡差し上げてもいい方なのでしょうか。。。
  経歴見てもすごい方で、全く接点ないし、
  もちろん超多忙だろうし、
  そんな些細なことを聞くなんて、
  気後れしてしまいます。

  こうなったら、自分で何とかしようと思い
  説明書を読み進めます。
  
  。。。時間はかかりましたが、何となく方法が分かりました。
  最初から努力しろ、というところですが、
  でもそれが本当に正しいやり方なのか
  いまいち分かりません。
  「誰かに背中を押してほしい。」
  そんな感じなのです。

  もうこうなっては、しょうがない。
  腹を括りました。
  相手の迷惑も顧みず、早野先生のメールアドレスに
  「スピルオーバー補正のやり方を教えてほしい」
  と送ります。

  忙しいだろうから、たぶん返信は遅いだろうなあ。
  でも電話なんて出来るわけないし、
  なんかツイッターで呟いても急かしているみたいだし。
  まあ、気長に待つか、と思っていたところ、
  すぐさまメールの返信が。

  「今会議中なので、終わり次第連絡します。」

  スゴイ、凄過ぎます、早野先生。
  こんな些細なことに会議中にもかかわらず超早いレス。
  恋人バリの返信の早さにビックリです。

  それから1,2時間後、同僚から
  「早野って方から電話入っているよ。」
  と連絡が。
  ドキドキです。胸キュンです。
  渚のハイカラ人形で、ヅキッドキッです。
  

  「お忙しいところ、ご連絡ありがとうございました〜」

  私と早野先生の秘密の時間が終わり、
  疑問がスッキリ解決です。
  本当に親切な方です。
  救世主とはこういう方の事なのでしょうか。
  現代に現れたケンシロウこと、早野先生。
  本当にありがとうございました。

  
  スピルオーバー補正機能を設定し、
  再度、黒大豆と柿を検査したところ、
  ほとんどゼロBq/kgの表示になりました。
  
  ホッしたのもつかの間、
  そういえば、速報を生産者にお伝えしてしまったんだっけ?
  やばいやばい、すぐさま生産者に直接電話。
  「すみません。先程お伝えした検査の結果ですが、
   正確に測定したところ不検出という結果でした。」
  
  「えー、そうなの?いや〜、良かったよ。
   さっきは本当に驚いて、どうしようか困惑していたよ。
   でも、本当に良かった。ありがとう。」

  自分の不注意で、要らぬ心配をお掛けしてしまったことに、
  猛省です。
  生産者が長い月日をかけて精魂込めて作っもの。
  その想いを全てふいにしてしまうかもしれない、放射能測定。
  中途半端な気持ちで、測定してはいけない。
  消費者だけでなく、生産者の生活、人生全てがかかっているものを
  測定するという極めて重大なことなんだと、改めて感じた出来事でした。 
  
  ベルちゃんにはしっかりした能力はあったのです。
  それを引き出すことが出来なかった自分に
  力が無いのです。
  もっと真剣にベルちゃんとニイちゃんと向き合う必要がある。
  そう胸に誓う、片岡でした。
    

  次回〜測定精度を求めてE〜に続く
 
posted by ナチュラル・ハーモニー at 19:19| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月08日

放射能検査機立ち上げ記録J


  こんにちは。
  
  ハーモニック・トラストの片岡です。

  外は冷たい雨が降っておりますが、
  
  今日も元気に始めます。
  
  長文なので御注意を。




  放射能検査機立ち上げ記録J
  ~測定精度を求めてC~


  「おーい!、そろそろ時間だぞ〜。」

  「おう、そうかそうか、ご苦労様。次はこれをお願いね〜。」

  「こっちもそろそろだよ〜。」

  「わかった〜、今度はこのサンプルね〜。」


  ベルちゃん、ニイちゃんとも真面目に黙々と測定してくれています。
  どんどんデータが溜まっていきます。
  ノってきました〜

  

  ニイちゃんが初めて測定した日を思い出します。
  それは、ベルちゃんが測定してくれた
  外部検査結果7.5Bq/kgのサンプルを
  繰り返し計ってみたときの事。
  2Bq/kgぐらいの結果が出るわ
  16Bq/kgぐらいの値が出るわ、
  とにかくばらばらな結果が表示されるので

  「何か気に障ることをニイちゃんにしてしまったのだろうか・・・。」
  
  と悩んだものです。
  ニイちゃんも口をつぐんで何も言ってくれないので、
  しょうがなく、生みの親であるEMFジャパンの担当者に
  連絡してみました。
  
  「それで、ネットカウントレートはいくつぐらいなの?」
  「計測時間は?」
  矢継ぎ早に聞いてきます。
  「それくらいだと厳しいねえ〜。
   下限値が一応20Bq/kgだからねえ〜。」
  
  そうですか、やっぱり。。。
    
  購入を検討している時に20Bq/kgが判断できるかが
  一つの採用基準でした。
  しかし、時が経つにつれ意識が変化してきました。
  もうナウいはナウくないのです。
  松田聖子は芸歴30周年なのです。
  不検出(1Bq/kg以下)が続いている状況下では、
  20Bq/kgという数字が、良いとか悪いとかではなく
  何かとんでもなく高い数字に感じられるようになってきたのです。
  「20Bq/kgとか言って、もうちょっと本当は実力あるんじゃないの?サバ読んでるでしょ〜。」
  なーんて甘い期待を抱いていた私がいけないのです。
  ニイちゃんには全く責任はないのです。

  「しかしですね〜。」
  EMFジャパンのおっちゃんが続けます。
  「実は10月から約5倍感度が高まる新型鉛シールドを発売したんですよ。」
  「ポリ容器からマリネリ容器に変わって、サイズも大きくなって・・・・。」
  永遠と良くなった点を押してきます。。。
  「金額は御社が使用しているチャンバーとの差額だけで結構なので、
   これくらいになりますが、どうですか〜。」
  大阪商人恐るべし。


  しかし、ニイちゃんは元々秘めた実力を持っています。  
  ニイちゃんは、ベルちゃんより放射線を検出する
  結晶サイズ(NaI:ヨウ化ナトリウム)が大きいため、
  感度と分解能が高い。
  そのため、Cs-134とCs-137を分離して測定できる。これはスゴイ。
  一方ベルちゃんは、Cs-134とCs-137を明確に分離できないため
  合計の結果を表示している。
  
  なんのこっちゃ?それが秘めた実力?
  さらりと書いてしまいましたが、
  そうですよね、分からないですよね。

  以前、エネルギーキャリブレーションのことを
  味見で例えてみましたが、その鋭さが、
  ベルちゃんよりニイちゃんの方が良いのです。
  ベルちゃんでは、高橋さんと田神さんの大根は
  味見して区別できるけど、
  高橋さんのF1種と自家採取の大根の
  違いは区別できない。
  でもニイちゃんはそれも区別できる。
  
  そういった鋭さのことを分解能と言い、
  Cs-134とCs-137が区別できるニイちゃんは
  「ベルちゃんより分解能が高い」
  なんて表現します。  
  しかし、区別できるからと言って
  イコール低い放射能が計れるとは言えないのです。
  また小難し話になってきそうなので、
  この辺りの事はおいおい書いて行きます。
  
  
  
  で、ニイちゃんの初測定の話に戻ります。
  20Bq/kg以下のサンプルであったために
  はらつきの大きい値が出てしまっていたのです。

  「頼むよ〜、ニイちゃん!気張ってくれ〜。
   本気をだしてくれよ〜。」

  なんて言っても無駄だったのです。
  そのときの結果は下記のようになりました。

  ●平均値(Cs合計):7.8Bq/kg(ベルちゃんは7.7Bq/kg)
  ●標準偏差σ:3.74(ベルちゃんは0.71)

  平均値を超えてしまう標準偏差=7.8/3.74=2.09
  標準偏差σが2.09ということは大体96%程度が
  範囲内に入るということで、残りの4%の半分である
  2%のデータがゼロBq/kg以下と表示してされてしまう。
  つまり、7.5Bq/kgのサンプルを100回測定して
  2回はゼロBq/kgと判断してしまう可能性がある。
  
  これを皆さんはどう思いますか。
  それくらい良いんじゃねえ?
  ちょっと信頼できないねえ。
  判断が分かれるところと言った感じでしょうか。
  
  こういった微量分析の世界では標準偏差3σで
  検出限界と判断していることが多いそうです。
  (私が、以前生産技術者として色々と仕事していた時は
   2σで信頼性を判断していました。)
  放射能分析という世界に触れて初めて知ったことでした。
  そんなに高い信頼性が求められる世界なんだと驚いたものです。
  

  とにもかくにもどんどんデータを溜めて、
  ベルちゃんとニイちゃんの検出限界を見極めるべく、
  日夜データ取りを繰り返していたある日の事。

  「ねえねえ、この黒豆と柿の放射能分析を行ってほしいんだけど。」
  まだ、精度の確認中だが、同僚から検査の依頼を受けました。
  とにかく感触をつかみたいようなので、
  まあ、繰り返し測定の合間を縫って測定してみることにしました。
  それが、悪夢の始まりとは知らずに。。。


  次回~測定精度を求めてD~に続く
  
  
   
  

  
  
  
posted by ナチュラル・ハーモニー at 21:19| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月07日

放射能検査機立ち上げ記録I


 
  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  成田生産組合の五十嵐さんがお見えになり、
  自家製の紅芯大根の切干し大根を
  持って来てくれました。
  そのまま食べてみたら、びっくり仰天。
  驚くほど甘く、とても美味しく頂きました。
  商品化はいつになるのでしょうか。
  一つ楽しみが増えました。

  それでは本日も始めさせて頂きます。
  


  放射能検査機立ち上げ記録I
  〜測定精度を求めてB〜


  「もう〜しつこいわね。そんなんじゃ女性に嫌われるよ!」

  「だってしょうがないじゃないか。何回も繰り返して測定しないと
  測定精度が確認出来ないんだから。」

  「そうだとしても同じことばっかり繰り返して〜。もう辟易!」

  「へそ曲げないで、頼むよベルちゃん。
   君だけが頼りなんだから〜。オ・ネ・ガ・イ!」

  「キモ!」


  毎日飽きもせず、色々なサンプルを集め、
  何回も繰り返して測定する日々が始まる。
  
  放射線測定は、測定時間が長ければ長いほど
  測定精度も向上するので、測定時間を変えながら
  精度を検証する必要がある。
  測定精度を上げる事だけを考えれば、1時間なり2時間なり
  24時間なり、1週間なり1サンプルをずーっと測定すれば良いのだが、
  (福島原発の事故以前は、専門分析機関で2週間とか
   時間をかけて測定し、超高精度な分析を行っていた。
   まあ、今ほど放射線の値が高い訳ではなかったので、
   時間をかけなければ逆に検出出来なかったということでもあるが)
  今は、検査するサンプル数が膨大なため、精度と経済性を
  考慮して、測定時間を定める必要がある。
  
  ふと、恋も同じか?
  と思ったが、相手を見極める時間が
  長ければ長い程、相手の事が良くわかり、
  付き合ってから、
  「こんなはずではなかった!」
  と別れる確率も減るかと考えたが、
  周り見渡しても、出会ってすぐ付き合って
  結婚して幸せな家庭を築いている友人もいるし
  一概には言えないか。

  とにかく時間である。
  例えば、1サンプルを15分測定で15回繰り返して測定すると、
  測定時間は3時間45分。30分測定で15回なら7時間30分、
  1時間なら15時間。測定時間だけでも、合計26時間15分もかかる。
  私はひ弱なので家に帰って休養する必要があるし、
  毎日バックグラウンド測定は行わなければならないので、
  始めに12時間、測定の合間に12時間かかる。
  つまり、1サンプルの測定精度を割り出すには50時間15分かかる。
  キャリブレーション取ったり、条件入力したり、諸々のことを考慮すると
  1サンプルあたり2.5日くらい。
  5サンプルで12.5日かかるのかあ。
  
  ベルちゃんが嫌がるのは良くわかるが、
  まあ、しょうがない。
  生みの苦しみですかね。
  
  と、いうことで測定精度の確認を本格的に始めようと
  思ったが、これがなかなか思うように進まない。
  外部検査機関で放射能が検出され、
  更に、1〜10、10〜20、20〜30Bq/kgのサンプルを
  数種類揃えないといけない。
  
  ※ハーモニック・トラストの放射線基準は20Bq/kg以下
   であるため、まずは20Bq/kg近辺のものが
   正確に判断できるのかを確かめ、
   次に検出限界がどの辺りなのか見極めるために
   低放射線量のサンプルを測定する必要がある。

  ただでさえ、ほとんど不検出(1Bq/kg以下)の結果が多いのに
  その中で、 目的に適うサンプルがあるのかどうか。。。
  生産者の事を思うと不検出が続いてほしいが、
  検査機の事を考えると。。。ジレンマである。
  
  ある時は喜びそして悲しみ、ある時は淡々とそして懊悩し。
  表と裏、善と悪、大乗と小乗・・・そんな日々が続きます。
  
  そんな葛藤があるなか、数サンプル目的に適うものが
  見つかりました。丹精込めて作って頂いたものが、
  そういった結果になったことは非常に残念でなりませんが、
  将来を見据え、今はこの結果を活かすべく、
  活用させて頂きます。

  
  そして本格的な測定の日々が始まったのです。
  そのとき片岡は、これから起こる大きな絶望を知る由もなかった。。。


  次回〜測定精度を求めてC〜に続く

    


  

  
  
  
  
  
posted by ナチュラル・ハーモニー at 16:25| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月06日

放射能検査機立ち上げ記録H



  こんにちは。

  ハーモニック・トラストの片岡です。

  本日は前置き無く行きます。 
 


  放射能検査機立ち上げ記録H
  〜測定精度を求めてA〜


  「どうやって説明しようかな〜」

  「なにそないに悩んでるの?」

  「あ、ニイちゃん。実は標準偏差をどう説明しようか迷ってて。」

  「別に説明しなくてもええやない?誰も気にせえへんよ!」

  「そっか。そうだよね、誰も気にしないよね。
   ググって貰えば良いんだよね・・・って、そんなわけあるか!」


  
  測定値のばらつき度合いを表す標準偏差とは何でしょうか。
  
  皆さんも学生時代に偏差値というものを聞いたことがあると思います。
  「物理は偏差値60何だけど、英語は45なんだあ。」
  「物理は良いじゃん、でも英語は良くないな。」
  なんて会話をしたものです。
  この偏差値という数字を出すにも実は標準偏差を使っているのです。
  仮に成田センターで国語のテストを行った結果が下記であるとします。
  

  ※あくまでも例です。  
  
  平均値55点のテストであることが分かります。
  このテスト結果の偏差値を計算してみましょう。


  
  





  まず初めに各個人の点数から平均点を引きます。
  例えば田辺さんは、40−55=−15となります。
  次に上記で求めた平均点との差を2乗します。


 








 例えば、田辺さんは、-15×-15=225となります。
 同じように各自の結果を計算して、平均値を求めたのが、
 黄色くハイライトになっている150という数値です。
 これは分散と呼ばれる数値で、この数値の平方根
 (例えば4の平方根とは2、9は3。つまり二乗してその値になる数のこと)が
 標準偏差と言われる値です。分散もばらつきの指標の一つですが、
 二乗して求めているので、元の数値と比較を同じにするために
 平方根を計算し、標準偏差を求めています。
 やっと出てきましたねー、標準偏差。
 でも本日はまだまだ続きます。

 標準偏差を計算すると12.25という値が出てきます。

 









 この標準偏差で各自の平均との差を割ってあげても良いのですが
 マイナスが出てきたりするので、見やすいように多少操作します。
 偏差値の計算式は、このようになります。


 
 標準偏差を10で割っているのは、目盛りの調整のためで、
 50を足しているのは、平均値に位置している人を偏差値50にするためです。
 偏差値を計算した結果が下記のようになります。

 








 田辺さん低いっすね。



 では、 この標準偏差12.25とはどういった意味なのか考えてみましょう。
 平均値55点に標準偏差を足した数と引いた数は、
 それぞれ、約67と42になります。
 今回の国語のテスト結果が正規分布(後述)に従うとき、
 テストを受けた人の68%が、この範囲内に入っている
 という意味になります。つまり、70点や40点の人は
 残りの32%に含まれる少数派ということになります。
 言い換えると67以上の人は16%、
 42以下の人は16%という事です。
 
 標準偏差の2倍の場合は、つまり79~31点以内には
 95%の人が入っていることになります。
 同じように標準偏差の3倍、91~19点以内には
 99.7%の人が含まれていることになります。
 
 何となく標準偏差という言葉の意味が掴めたでしょうか。
 とにかく良くわからないけど、平均値に標準偏差を足したり
 引いたりした間に68%のデータが入っていて、
 2倍の標準偏差では95%、3倍の標準偏差では99.7%の
 データが入るんだなと理解して頂けると良いと思います。

 そういったことを踏まえて、ベルちゃんが計ってくれた
 昨日の結果を見てみます。

 ・平均値:7.7Bq/kg
 ・標準偏差:0.71

 標準偏差の3倍でデータを見てみると
 5.6~9.8Bq/kg以内に99.7%の
 データが存在することが分かります。
 つまりこのサンプルを1000回測定して、
 この範囲内に入らない回数は3回ということです。
 7〜8Bq/kg辺りのサンプルを測定する場合には、
 十分信頼性のあるデータだと言えると思います。

 今回のような繰り返し測定をいろんなBq/kg値で行い、
 信頼性の高い範囲がどのくらいなのか
 今後調べていくことになります。

 
 先程、正規分布という言葉を用いました。
 世の中にはいろんなデータ分布の形があるのですが、
 自然現象等は大概正規分布となります。
 例えば、ある圃場からサツマイモを収穫するとします。
 大きいものから小さいものまで色々な重さの物があると思います。
 一つ一つの重さを計ると、平均値付近の重さの物は数が多く、
 平均値から離れるにつれ、数は少なくなると思います。
 そういった分布を正規分布と言います。
 標準偏差を用いる時には、正規分布なのかどうか、
 必ず考慮する必要があります。
  

 本日は長々書いてしまいました。
 小難しいことばかりで、消化不良の皆様
 お付き合いありがとうございました。

 今後も時にはこういった難しい説明をする場合も
 あるかと思います。
 ベルちゃんやニイちゃんも心配しておりますが、
 何とかやり遂げていこうと思っています。
 今後ともお付き合い宜しくお願い致します。

 
 次回〜測定精度を求めてB〜に続く
 
 
 
 
  

 

 

 
posted by ナチュラル・ハーモニー at 21:43| Comment(0) | 放射能検査機立ち上げ記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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